やさしいドア

自分の部屋がどこか迷ってしまう

自宅のように暮らしてほしい

福祉施設の中を歩いていると同じようなドアが続き、どこが目的の部屋なのかが分からなくなってしまうことがあります。若い人でもそうなのですから、お年寄りならなおさらです。施設の部屋は大切なご自身だけの大切な空間です。ですから愛着を持って暮らしてほしいという思いがあります。そのためには、分かりやすい目印が必要です。部屋番号や表札もよいですが、お孫さんをはじめとする家族の写真、自身の趣味の趣味である習字や切り絵などを飾るのもよいでしょう。また、ドア自体が写真や作品を展示できるような造りになっていたら、自分の部屋を認識できるだけでなく、ご自身の個性を活かすことができ、他の入居者さんとの会話も広がります。 

あのころの記憶がよみがえる

また、福祉施設には認知症の方も多く暮らしています。認知症は、記憶障害、幻覚・錯覚など人によってさまざまな症状が現れます。そのため、自分の部屋を認識することができない方も多くいます。けれども、昔の写真を見たり話をしたりすると一瞬だけ記憶が蘇り、普通に話すようになるケースもあるといわれます。ご自身の若いころの写真、お子さんの赤ちゃんのころの写真をドアに飾ることがきっかけとなり、認知症の方も自分の部屋を認識できる、認識までできなくとも昔のことを思い出して心が動く、そんなドアがあったらとても素敵ですね。

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