まわりが気になって落ち着かない
プライバシーを確保したい
福祉施設や医療施設で多床室を利用する方からは、プライバシーが確保できない、落ち着かないなどの声を伺います。現在、多床室の多くはカーテンで間仕切りをしているため、音も筒抜けですし、光も漏れてきます。そのため同室の人のいびきがうるさい、夜中にずっと電気をつけている人がいて眠れないなど、入院して良くなりたいのにもかかわらずストレスとなる我慢を強いられています。こんな環境では、同室の人との関係性も悪くなり、ますます落ち着くことができません。医療施設で短期の入院ならまだ我慢もできますが、長期の入院だったり、福祉施設で一生暮らすとなると、心や体に影響が出てくることもあり、何か改善策が必要です。
目指したのは個室のような空間
では、カーテンではなく木製の間仕切りを使用するのはどうでしょうか。木製の間仕切りですと部屋の雰囲気もよくなるだけでなく、同室の人たちの音や光を軽減することができます。まるで個室のような空間ができるので、プライバシーが保たれ、安心して過ごすことができるでしょう。
多床室でも自分のリズムで暮らせるやさしさ
現在、国は多床室におけるプライバシー保護が十分でないと考え、特別養護老人ホームの多床室について、建具(家具やカーテンは除く)による間仕切りを用いてプライバシーが守れる空間を作るための補助を行っています。このことからも、入居者の方一人ひとりが自分の生活リズムで暮らすためには、プライベートな空間の確保がとても大切であることが分かります。